会社法の施行により、有限会社法が廃止されることになり、有限会社は会社法に規定される『特例有限会社』という株式会社の一形態として一体化され、会社法が適用されることになります。

会社法施行前に存在する有限会社は、株式会社に移行することを強制されていません。「このまま存続する」か「株式会社に移行して運営する」か、会社自身の選択に委ねられてきています。

今、有限会社を株式会社へ移行しようと考えている方は、以下の情報からご検討ください。

  1. 有限会社継続のメリット
    有限会社を継続することのメリットは、会社法と廃止された有限会社法の両方からのメリットが考えられます。

    会社法の新たなメリット
    項 目 内  容
    社員数の制限がなくなる 社員(出資者)50名までの上限がなくなる
    社員持株会を組織・資金が集めやすくなる
    種類株式の発行が可能 事業承継をスムーズにするために「拒否権付株式」「議決権制限株式」が活用できる
    社債の発行が可能 株式会社として扱われるので社債の発行ができる「少人数私募債」の発行が可能になる
    総会の書面が不要 株主総会参考書類・議決権行使の書面の交付が不要

    有限会社法からのメリット
    項 目 内  容
    役員の任期 特例有限会社の役員任期は無期限
    計算書類の公告 特例有限会社は計算書類の公告不要
    会計監査人 特例有限会社は会計監査人設置が不要
    みなし解散 「休眠会社のみなし解散」の制度の適用なし
    有限の名前に価値観 すでに有限会社法が廃止され、有限会社の設立はできなくなっているので「有限会社」の名前に希少価値が出てきているか?

  2. 有限会社継続のデメリット
     
    項 目 内  容
    事業拡張には向かない 特例有限会社は積極的な事業の拡張や株式の公開を目標とする会社には向かない
    譲渡自由株式発行なし 特例有限会社の定款には、譲渡制限以外の株式の発行ができない
    会計参与等の設置なし 他との差別化を図るために、計算書類の適正な作成と開示を行う手法が利用できない
    対外的信用を高められない 会計参与などの設置ができず会社の信用度を高める手法を採用しにくい


  3. 株式会社への移行までの流れと登記

    ◇移行までの流れ

    株主総会招集を決定
    株主総会の日時及び場所、目的事項を決定して招集通知
    矢印
    株主総会での定款変更決議
    定款変更は株主総会の特別決議の承認が必要
    矢印
    変更定款の作成
    矢印
    登 記 申 請
    「商号変更による通常の株式会社への移行による株式会社設立登記」
    「商号変更による通常の株式会社への移行による有限会社解散登記」
    この2つの登記を同時に申請する


    ◇登記申請

    「商号変更による通常の株式会社への移行による株式会社設立登記」
    登録免許税 資本金の額の1000分の1.5 この金額が3万円に満たないときは3万円
    添付書類等 株式会社設立登記申請書  
    登録免許税納付用台紙(必要金額の収入印紙を貼る)
    株主総会議事録(商号の変更を始めとする定款変更を決議したもの)
    定款   
    印鑑証明書(代表者個人)
    別紙
    印鑑届


    「商号変更による通常の株式会社への移行による有限会社解散登記」

    登録免許税 1件につき3万円
    添付書類等 有限会社解散登記申請書  
    登録免許税納付用台紙
    別紙

  4. 特例有限会社の株式会社移行へのポイント

    <定款の変更>

    1. 商号 前の商号にこだわらず、全く違うものでもかまいません。
      有限会社 山本 → 株式会社 山本又はヤマモト
      有限会社 山本 → 株式会社 ジャパンカンパニー

      しかし、前商号と全く違うものにしては、取引先等に同会社と思われないというデメリットもあります。
    2. 目的  株式会社に移行する際に、目的を自由に変えることもできます。
    3. 発行可能株式総数 
      会社法施行後は、謄本には発行可能株式総数が発行済株式総数と同数で記載されています。これでは、増資するときに、まず、発行可能株式総数の変更登記が必要になりますので、この際、同時に増やしておく方が良いでしょう。
    4. 役員の任期 株式譲渡制限の会社では、役員の任期は10年まで伸長できます。

    <印 鑑>

    特例有限会社から通常の株式会社に移行する場合、旧有限会社については解散の登記をし、新たに株式会社を設立する登記をするため、株式会社の設立の登記をするにあたり、改めて代表者の印鑑届をする必要があります。

    印鑑カードについても、特例有限会社のときに使用していたものは引き継ぐことはできず、改めて印鑑カードの交付を申請する必要があります。

    なお、株式会社の代表印として、特例有限会社のときに使用していた印鑑を届出ることもできますが、取引先等に特例有限会社のまま存続しているかのような誤解を与えることのないよう別の印鑑を届出るほうが良いでしょう。

    <役員の取り扱い>

    特例有限会社から通常の株式会社に移行しても、原則として役員を選任しなおす必要はありませんが、有限会社の役員に選任された時期によっては、新たに従前の役員を選任しなおす必要があります。

    特例有限会社から通常の株式会社へ移行する際に、従来の有限会社の役員選任時から起算して会社法の任期を経過している役員は、通常の株式会社へ移行すると同時に任期が満了します。
    例えば、有限会社が設立から10年を経過して入れば、取締役の任期を10年に定めても、通常の株式会社へ移行する際、新たに従前の役員を選任する必要があります。

    <期中に株式会社へ移行した場合の決算>

    期中に特例有限会社から株式会社へ移行した場合、特例有限会社を解散し、新たに株式会社を設立したものとして登記することとされていますが、会計上は、この事業年度は継続されたものとして取り扱われます。

    したがいまして、移行日の前後で決算を分ける必要はなく、今までの決算期に株式会社として通常どおり決算をすればよいのです。法人税法上は、組織変更により他の種類の法人となった場合、組織変更前の法人の解散登記、組織変更後の法人の設立登記にかかわらず、その解散又は設立はなかったものとして取り扱うこととしています。

    なお、組織変更により、商号の変更等をした場合には、税務署、都道府県税事務所及び市町村役場に「異動届出書」を提出する必要があります。


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